富士山へ行こう

富士山へ行こう

登山しない人でもちょっとは興味のある日本のシンボル富士山。
7月〜9月上旬の期間を逃すと山小屋が閉まり、雪道になるので難易度倍増。意外と初心者が登れる期間は短い。

富士山頂に向かうには4つのルートがあります。
詳しいことはココに書いてあるので私はざっくりと。

吉田口(一番人気) 登り6時間 下り3.5時間
途中に山小屋が多くあり、道も整備されている。ツアーの多くが利用する初心者向け。

須走口(バランスが良い) 登り5.5時間 下り2.5時間
緑も楽しめ、吉田口ほど混雑もせず、砂走も楽しめる。

御殿場口(最長) 登り7.5時間 下り3時間
登山口までマイカー規制がなく駐車場も無料。下りの大砂走りが爽快。

富士宮口(最短) 登り5時間 下り2.5時間
急登で岩場もある。山小屋も充分あり人気。

計画

8月中旬に富士山に行こうと決めてツアーを探すが日の出を見る御来光ツアーばかりで最高峰の剣ヶ峰やお鉢巡りをしないものばかり。
宝永火口見たい、最高峰に行きたい、お鉢巡りしたい、砂走もしたい。我がままなのでツアーで楽をするのは諦めて自分で行くことにしました。
砂走りが出来るのは須走口と御殿場口の2つだけ。御殿場口の方が大砂走りといって豪快そうなのでこちらにしたのはいいが、登りに7時間もかけては時間的にも体力的にもキツイ。
そこで考えだしたのが富士宮口から登り、御殿場口に降りてくる我がままルート。
富士宮口はマイカー規制があるので水ヶ塚駐車場からバス。御殿場口から水ヶ塚駐車場まではタクシーで10分。いける!

前夜 御殿場口新五合目で仮眠
5:00 起床、準備
5:30 水ヶ塚駐車場へタクシーで移動
6:00 水ヶ塚駐車場からバスで富士宮口五合目へ移動
6:30 富士宮口五合目から登頂開始
7:00 宝永火口へ寄り道
12:30 富士山頂着、お鉢巡り
14:00 下山開始
17:00 御殿場口新五合目着

御来光(日の出)を頂上で見るために八合目あたりの山小屋で仮眠し、翌朝3時頃から山頂を目指すツアーが多いですが今回は御来光は見ないで、明るくなってから登り暗くなる前に降りてくる日帰りです。

実行

御殿場口新五合目はマイカー規制がないので車でいける。
第一駐車場はバスとタクシー用なので第二駐車場に駐めます。
夜に出入りする車も多い。
フロントガラスに目隠しをしないとヘッドライトで起きる。

車内とは思えない爆睡ぶりで起きたら既に6時。しかも曇りでやる気が出ない。
何とか奮い立たせて第一駐車場へ。

インフォメーションセンターがあり早朝から人がいて助かる。




タクシー会社に片っ端から電話するも何処も来てくれない。
行き先を告げると急に態度が変わる。10分の為だけに行きたくは無いという事だろう。
水ヶ塚駐車場を越えて富士宮口五合目まで行くといえば40分くらい乗車する事になるので来てくれたかもしれない。

ここから水ヶ塚駐車場まで歩くと1時間半。。。車だと10分。

仕方ない歩くか。









出発前に有料トイレ(100円)に行く。
雨水を利用した手洗い場から道を挟んだ所にある。







10分程下ると水ヶ塚駐車場行きの道と合流。
そこでやりました人生初のヒッチハイク。
3台目くらいで意外とあっさり乗せて貰えました。話を聞くと乗せてくれたご夫婦も以前同じ道を歩いて誰か乗せてくれないかなと思っていたそうです。水ヶ塚は1000円の駐車料金がかかるのでそれだけ払わせて頂いて別れました。
(画像はイメージです)


水ヶ塚駐車場のバス停
謎の料金設定 片道1150円(往復1800円)を片道だけ買う。
チケット販売所のすぐ隣で環境保全協力金1000円も払い缶バッジと富士山についての小冊子を貰った。
この小冊子には各ルート、服装、ルール、トイレの事、高山病や、鳥、植物の話も書いてあり有用。

早速缶バッジをザックに付けて「私、払いましたよ」の顔をする。


バスに揺られて30分富士宮口五合目に到着。
道が曲がりくねっているので車酔いし易い人は前に座ると良い。

売店、食堂、有料トイレがある。
登山開始。
富士宮口五合目は2400メートル。
プロトレックの標高を合わせる。
頂上は3776メートル。
頂上まで1400メートル。


この時点で既に8時。
たまに見える青空が嬉しい。
こんな感じの登山道をのぼって20分ほど
もう六合目に到着
トイレ、食堂、お土産屋などがある。
頂上へは向かわず宝永火口に寄り道。
人がいない。

宝永火口
1707年、宝永4年に噴火し宝永山が作られた。
富士山で一番新しいと言われる火口。
宝永火口の側にベンチがある。
雲と空のコントラストが美しい。
このベンチで食べ物紹介。
カレーパン2つ、おにぎり3つ、カロリーメイト一箱、ナッツとドライフルーツとチョコ、飴、ガム、グミ、水に混ぜる粉末、水2L、お湯0.5L
非常食も入っているとはいえ持ちすぎ。
山小屋で買えるのでこんなに要らなかった。
宝永火口からこのまま御殿場ルートへ抜ける事も可能。
皇太子がこのルートを使ったとかでプリンスルートと呼ばれている。
御殿場口は帰りに通るのでどうせなら行き帰りで違う道の方が楽しいと思う庶民の私はフジアザミを眺めながら富士宮ルートをへ引き返します。。

ここから山頂へ向かうルートに戻ります。
火山の飛沫が固まったガサガサとした道を歩く。
赤いのは鉄分が含まれているからかな。
新七合目
御来光山荘
頭に新と付いているのが怪しい。

雲の中に入り視界がわるくなった。
ロープと岩に書いてある矢印のおかげで登山道を見失う事はない。

標高3000メートルの看板で小さな達成感を味わう。
あと776メートル。

八合目かと思いきや元祖七合目。
七合目から抜け出せない事で精神ダメージがある。

ついに来た八合目
このあたりから疲労を感じ始める。
八合目より上は神社の敷地内。
富士山の火口の深さが丁度八合目にあたるらしい。

ここには衛生センターなる施設もあるので怪我をしたら治してもらえるのかもしれない。
白い鳥居がみえ神社の敷地であることがわかる。
雲を抜け雲海が広がる。
高いことを認識すると急に酸素が薄い気がしてくる。
そういえば頭痛がするような。。。
九合目
万年雪山荘
雪はありませんでした。
もう9月なのでもう富士山には雪の季節が間近に迫っている。
また1つ鳥居をくぐる
九合目の山小屋を上から見下ろす。
そびえる雲と対峙するように立つ山小屋。
九合五勺
胸突山荘
ここから先、まさに胸を突くような急坂になる。
標高3590メートル。
あと200。


このみちも昔の火口だろうか。

右端だけ違う質の岩になっているのが面白い。

この鳥居をくぐれば頂上。
頂上の山小屋は閉まっていました。
すこし歩いた所のトイレは開いていました。
ここにくるとトイレが300円。
浅間大社 奥宮
ここで御朱印やお守りが買える。
山頂で買ったお守りはご利益がありそう。
もう閉まる時期なので袋がかぶせてある。
真ん中に鎮座する馬はなんだろう?
城壁のような壁の奥に見えるのが一番高い場所、剣ヶ峰。
山頂まで重機が来られるので大抵の物は持ってこられそう。

















12時なのでご飯。
パンの袋とカロリーメイトがぱんぱんに膨らんでます。


剣ヶ峰と
雲海

一息ついたので頂上を目指す。
剣ヶ峰にある観測所
剣ヶ峰で写真を撮るために30分くらい並ぶ
剣ヶ峰頂上にある三角点
剣岳点の記とは違ってブルドーザーで持ってきたのかな?

これが日本で一番高い場所
何割の日本人が死ぬまでにこの場所を訪れるのだろう?
3割くらいだろうか。
誰もが知ってる場所。
その気になればほぼ全ての人が来られる場所。

左上が雷岩
右上が割れ岩
下になにか見えるが多分行くと怒られる場所。

吉田口から登った場合の浅間大社奥宮
こちら側は人が多い
ここを降りると須走口に出るらしい。
エベレストのベースキャンプもこんな風景だろうか。
奥に小さい氷柱と
残雪

銀明水
山頂なのに湧き水が出る。
昔は飲めたらしい。
御殿場口に降りていく。
ゴツゴツした岩場を抜けて
つづら折りの砂地
滑りやすいので注意
八合目
見晴館は閉鎖中

砂走館ももう今年はおしまい。

ようやく開いていたのはわらじ館。
七合目の日の出館も閉まっている。
富士宮口と比べて山小屋が閉まるのが早い。

大砂走りの看板

大砂走り
粗目の砂地の下り坂がずーっと続いている。
砂がクッションになり脚への衝撃が少なく遠慮なく走れる。
高度計の高度がどんどん下がるのが見ていて楽しい。
靴の中が砂だらけになる。
砂走りをやる人はブーツカバーとマスク必須。

途中、標高2400メートル地点を過ぎる。富士宮口ははこの高さだが御殿場口新五合目は標高1440メートルなのであと1キロ下がらなければいけない。




大砂走りの終点
大石茶屋
ここにくるとトイレが100円
かき氷やおでんなど魅力的なメニューがある。
御殿場口新五合目の駐車場に戻ってきた。
アンケートに答えてる間に登頂証明書を無料で作って貰った。

16:30無事に降りて来られた事に一安心。
心配していた高山病も軽い頭痛だけで済んだ。



おまけ

富士山本宮浅間大社

山頂にあったのが奥宮でここが本宮
無事に下山できたお礼に着ました。
誰でしょうか。
事前に勉強していなかった事が悔やまれる。

珍しい2階建て
一回が富士山を表しているのだとか。
本宮
本宮横の湧玉池に来た時はもう暗くて写真が撮れなかった。
富士山の雪解け水が湧き出るいわば富士山の始まる場所。
ここで出会った地元の人にから聞いたお話。

かぐや姫伝説
この神社にはかぐや姫が祀られている。かぐや姫は月に帰ったのではなく富士山七合目の洞窟に入ったのだとか。

万能薬伝説
富士山でとれる薬草は万病に効く。不治の病のフジとは富士山から来ている。
神社から歩いて数分の富士巻食堂

ここで頂いた富士宮焼きそば
普通の麺より少し固いくらいで後は普通。
ふじやま温泉 1700円 高い。
木造の温泉としては日本で最大級なんだとか。
たしかに湯船から見る木の梁は見ごたえがありました。

北口本宮富士浅間神社

浅間神社はいったいいくつあるのだろう。
武田信玄が来たというのはおもしろい。
入り口から続く灯籠の道
ここを歩くと身が締まる。
灯籠の道を抜けると赤い鳥居
手水舎も豪華
本殿
彫刻があり作りの細かさが伺える



本殿横
こちらの雰囲気が好きでした。
苔生した屋根がいい感じ。
振り返った景色も良い。
鹿威しの音が響いていた。
本殿側から入り口を見たところ
灯籠に刻まれた卍のマーク
仏教?神仏一体の名残かな。
入り口の案内には吉田口と書いてある。
ここを通り神社にお参りして吉田口から富士山に登る。
それもまた良い登山になりそう。
この日は早朝は晴れたのは一瞬。
すぐまた曇ってしまった。
今日登る人も雲の中だろう。
音止めの滝
周りの音をかき消す轟音。
下まで行って見られたらさぞ迫力があるだろう。
白糸の滝に向かう途中のお土産屋
早朝なのでまだ閉まっている。
この寂しい感じもまた良い。
白糸の滝近くは飛沫で緑が多い
白糸の滝
さすが日本滝百選の1つ。
岩壁から流れる幾つもの滝は素晴らしい。
富士山と合わせてここも信仰の場所だったらしい。
壁に咲いていた名も知らない花が9月に満開。









おしまい。

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